

坂口秀哉博士の医学研セミナー / Institutional seminar by Dr. Hideya Sakaguchi
昨年成育医療研究センターに着任された、坂口秀哉先生に医学研セミナーで講演していただきました。私がとある研究費申請について思案していた際に、共通の知人にご紹介いただきました(なんだか結婚式の馴れ初めみたいな言い方ですが)。熊本大学医学部をご卒業ということで、もしかすると、と思ってお尋ねしたところ、私の叔父の田中英明医学部教授(故人)とお話しされていた、というご縁もありました。 今回、坂口先生は笹井研でのオルガノイド(当時はオルガノイドとは呼んでいなかったが)の発祥から現在に至る研究の歴史を、ご自身の研究だけでなく、神経オルガノイド分野全体について説明してくださいました。非常に教育的でした。あのパッケージで、全国の大学で授業をするべきだと思います。また、改めて笹井先生の早世が惜しまれました。 もちろんご自身の研究についてもお話ししただきました。海馬オルガノイドを作製するために、脈絡叢が一種のオーガナイザー的に機能する、というのが興味深かったです(私の誤解でなければ)。また、作製したオルガノイドをバラバラにして2次元で培養する、というアプローチも今


高山順博士の医学研セミナー / Institutional seminar by Dr. Jun Takayama
東北大学医学部の高山順博士による医学研セミナーを開催しました。高山さんと私は、大学学部時代の同級生で、一緒に授業を受けたり、実験したりと、いろいろ思い出があります。私が分担者となった、とある研究費申請の際に、高山さんもたまたま同じ申請の分担者になっていることに気付いたことから、私が講演を依頼しました。前々から感じていましたが、最近特にこの世界の狭さを実感しているので、品行方正に研究に取り組むことの大切さを改めて自分に言い聞かせています。 高山さんは、日本人の標準ゲノム配列を作製して、AMED理事長賞を受賞しています。今回のセミナーでは 主に その作製過程を解説してくれました。また、臨床現場でどのようにゲノム配列解析が活用されているかについても、知ることができました。よくよく考えると、そもそも「日本人」とは何か(もちろん国籍という意味ではなく、人種、というか人の集団として)ということですら、実は単純ではなく、今まであまり意識していなかったことを考えさせられました。広く使われている、 いわゆる 「標準ゲノム配列」もそれなりに偏っている、ということも


Jonathan Arias博士の医学研セミナー / Institutional seminar by Dr. Jonathan Arias
本当は12/12に対面のはずでした… This was supposed to be in person on December 12th... 1月だったので、もうだいぶ経ってしまいましたが、リトアニアVilnius UniversityのJonathan Arias博士に、医学研セミナーで話してもらいました。本当は来日に合わせて、研究所にて対面で実施する予定だったのですが、出発当日に隣国から気球が飛来し、リトアニアの全空港が閉鎖されるという不運に見舞われ、来日自体が叶わず、当然セミナーも実施できませんでした。時期を遅らせて、オンラインでの実施になりました。 iPS細胞財団が、より多くの人に適用できる細胞を提供するために、主なHLA型がホモ接合型のドナーからiPS細胞を樹立していますが、Jonathan達もリトアニアで同様の試みを進めているそうです。今回のセミナーでは、その概説をしてくれました。同じヨーロッパでも、やはり各地で遺伝的背景は異なっており、リトアニアでも独自のSNPが観察されたそうです。話はバイキング時代のことにも及ぶなど、非
2025 Year-End Review / 2025年総括
2025年の良かった点: 個々のヒトiPS細胞に起きるゲノム編集パターンの解析結果を論文として発表 松本さんが開発したDNA組換え活性の高いCas9をスクリーニングする系を論文として発表 多くの学部生がインターンとして加入 都立病院との共同研究で患者さんの遺伝型を再現するiPS細胞樹立 篠﨑さんが日本学術振興会特別研究員(DC1)に採択 黄さん が第48回日本分子生物学会年会 MBSJ Poster Award 2025受賞 中島さんが International Society for Stem Cell Research (ISSCR) 2025 Travel Award受賞 学生さん達が国内外学会でたくさん発表 海外出張3回 2025年に改善が必要な点: 論文発表(毎年) 研究費獲得(毎年) 特許の有効活用 研究環境改善 2025年は、ヤマハ発動機の方々との共同研究で、iPS細胞のゲノム編集結果を解析してきた成果を論文として発表することができてよかったです。松本さんが広島大学時代から続けていた研究も論文としてまとまり、安心しました。


青梅看護学校講義 / Lecture at Ohme School of Nursing
昨年に引き続き、今年も青梅看護学校にお声かけいただいて、講義をさせていただきました。これから看護師として活躍されるみなさんの仕事とは直接関係ないかもしれませんが、多少なりとも何かしらの情報をお伝えできていれば嬉しいです。昨年より、ゲノム編集の応用についての情報を増やしたつもりでした。 やっぱり、茶畑の感じとか、私が育った青梅市の隣の入間市に似ています。 Following last year, I was once again invited to give a lecture at Ome School of Nursing this year. While it may not be directly related to the work they'll be doing as nurses, I'd be happy if I managed to share at least some useful information. I tried to include more details about the applicati


相同組換え活性の高いCas9改変体をスクリーニングする手法の開発 by 松本さん/Development of a screening system for Cas9 variants with higher HDR activities by Daisuke Matsumoto
CRISPR-Cas9の登場以降、ゲノム編集による遺伝子治療の研究開発が加速し、実際に治療薬が実現するに至りました。現在のゲノム編集を用いた遺伝子治療では、疾患に関連するDNA配列を破壊することで治療を実現しています。その一方で、DNA配列破壊の仕方はランダムであり、DNA配列の破壊による副作用の可能性はゼロとは言えません。そのため、可能な限り疾患関連配列を健常者の配列に修復するような治療ができれば理想的です。そのような修復には相同組換え修復機構を利用します。そこで、本研究では相同組換え修復によって編集された細胞を選抜するシステムを応用して、切断後にHDRが起こりやすいCas9変異体のスクリーニング法を開発しました。スクリーニングによって獲得した一つの変異体において、野生型Cas9よりも高いHDR効率を示すことがわかりました。しかし、その結果には標的配列依存性がありました。今後は、より大規模なスクリーニングが可能な方法に改良していき、より多くの変異体ライブラリからの探索をすることで、相同組換え修復がより優位になるより良いCas9変異体を獲得してい


ECHO360 2025, Structural Heart Imaging with Asia Valve in Seoul, Korea (韓国、ソウル)
Pusan National UniversityのChong Kun Cheon博士よりご招待いただき、韓国、ソウルで開催されたECHO360 2025, Structural Heart Imaging with Asia Valveに参加しました。ECHO360は、もともと心臓病に関する学会なのですが、今年初めて範囲を広げて関連するファブリー病などの希少疾患のセッションも開催し、私はそこに呼んでいただきました。基本的に医師の方々の集まりなので、私は少数派でした。毎年韓国で開催されて、今年で9回目だそうです。私以外にも日本の方々も参加されていました。ECHOというくらいですので、心臓病の構造的な観点に着目した研究の話が中心でした。日本で第73回日本心臓病学会学術集会に参加して、勉強していたので、多少わかるようになりました。未だにわからないことも多いのですが… 自分の発表は、ファブリー病セッションでしたので、多少なりとも会場にいらっしゃった方々に、有益な情報になっていればよいと思います。 Chong Kun Cheon博士に感謝です。飛行機の


The 3rd Ploidy Meeting @ National Institute of Genetics / 第3回倍数性研究会@遺伝研
遺伝研で実施されたThe 3rd Ploidy Meetingに参加しました。4倍体iPS細胞のbioRxivのことをつぶやいたら、お声をかけていただきました。ありがたいです。SNSの力を感じます。iPS細胞を中心に使っているのは私達だけでしたが、倍数性という観点から、いろんな研究が進んでいるんだなと、とても勉強になりました。15年以上お会いしていなかった(多分)、学生時代の先輩にもお会いすることができました。学生達もポスター発表できて、良い経験になったと思います。お誘いいただきまして、ありがとうございました。 学生時代から、三島に遺伝研がある、ということはよく聞いていたのですが、今回初めて訪れることができました。これまでに何度となく新幹線で通過していましたが、三島駅で降りたのも初めてでした。いいところでした!また発表できるように、研究進めたいと思います。 I attended the 3rd Ploidy Meeting held at the National Institute of Genetics. After tweeting a
バイエル循環器病研究助成 第32回研究発表会 in 第73回日本心臓病学会学術集会 / The 32th Bayer Scholarship for Cardiovascular Research Conference in the 73rd Scientific Session of Japanese College of Cardiology
ご支援いただいた循環器病研究振興財団バイエル循環器病研究助成の成果を報告するために、第32回研究発表会に参加しました。毎年このバイエル循環器病研究助成 研究発表会は、日本心臓病学会学術集会のセッションの1つになっているそうで、今年は学会が開催された高知に向かいました。私は心...


高効率iPS細胞クローン単離手法開発と個々のiPS細胞に起きるゲノム編集結果解析の成果を発表 / High-throughput method to isolate human iPS cell clones and genome editing outcomes in single iPS cells are published
ゲノム編集結果はほとんどの場合、細胞集団で解析されるのですが、私達は以前から1細胞ごとに起きる結果に着目して解析してきました。今のところ、内在性のゲノムDNA配列をゲノム編集により改変し、それを直接1細胞中で検出することは技術的に難しいため、1細胞由来のクローン中のゲノム編...















